*正しい姉弟の切愛事情*



実のところ、1階の受付にいる私はお医者さんたちとあまり関わりがない。


わざわざ受付の前を通って病棟にいく人なんて杉本先生くらいだ。


その杉本先生が例のごとく私に手紙を渡していった数分後、珍しく別の先生が受付前を通りかかった。



「あ、あれ。外科の久野(くの)先生」

「え?」



向こう側を指差して私に伝えてきたのは、同じ外来受付を担当している新人のミヤちゃんだった。

メイクばっちりの目を片方つぶって親切に教えてくれる。



「今年外科に入局した期待の星らしいですよ」



ミヤちゃんは新人にもかかわらず、私よりも先生方のことに詳しい。

お買い得物件を探して、医師チェックに余念がないそうだ。



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