*正しい姉弟の切愛事情*
「本当に大丈夫? 顔赤いよ」

やさしい声に顔を上げた。


「だ、大丈夫」

「でも、熱でもあったら……」


心配そうに眉を下げ、ユリは私の額に手のひらを当てた。

冷えた指が肌に気持ちいい。

保健委員のせいか、その手つきはとても慣れてる。

ユリが白衣を着たら絶対に似合うだろうな。

そんなことを考えているうちに小さな手のひらが離れていった。


「んー、熱はないみたいね」

「うん。元気だもん」


親指を立ててみせると、ユリは小さく吹き出した。


「説得力ないよ」


少しずつ進んでいく列の真ん中で、友人は優しげに私を見る。


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