*正しい姉弟の切愛事情*
「そんなに嬉しいの?」
「そりゃ嬉しいよ! えー会いたいなぁ。いつまでいるの?」
ユリには年の離れたお姉さんがいる。
今は実家を離れて働いていたはずだけど、帰ってきてたんだ。
「しばらくはいるって言ってたよ。お姉ちゃんも一歌に会いたがってた」
ユリの姉、エリカちゃんは私にとってもお姉さんみたいな存在だ。
普通母親に相談するような成長過程での悩みや心配ごとは、保健の先生ではなく全部エリカちゃんに相談していた。
「じゃあ今度の日曜とか――」
「ユリ」
不意に後ろから低い声が響き、私たちは同時に振り向いた。