*正しい姉弟の切愛事情*
「お、その顔はいるな? まあ高校生だもんな。相手は同じ学校の子か?」
「あの…う、うん」
「そうか、同級生か。一歌は面食いだからなあ。で、いつから付き合ってんだ?」
何も知らないお父さんは、娘の彼氏に興味津々という感じで次々と問いかける。
「えっ、と」
しどろもどろになりながら答えているあいだ、瑞貴の視線が気になって仕方がなかった。
まるでここ数日の分をまとめて向けられているような、強く鋭い視線に、心臓は鳴りっぱなしだ。