*正しい姉弟の切愛事情*


「あの、姉弟だよ? あたしたち」


均整の取れた顔に、訴える。


けれど、瑞貴は顔色一つ変えなかった。



「うん。でも……血は繋がってない」


「…そういう、問題じゃないでしょ……」


「一歌。俺はもう、ずっと前から――」


心臓が、壊れたみたいに鳴ってる。
 


目が回りそうだ。


けれど、


「ねえ瑞貴」


苦しげな顔をしている弟に、私はやさしく言葉を選ぶ。


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