【完】隣の家のオオカミさん
チラッとお父さんに視線をやる。
お父さんさっきから何もしゃべってない。
ただ突っ立ってるだけ。
わたしと目が合うと不自然な行動を取り出すお父さん。
「分かった。準備するからちょっと待ってて」
「じゃあ、車で待ってるわね」
ドアがバタンと閉められたと同時に部屋の方へ走って戻る。
「大上くん!ご飯行こうだって!」
「……は?」
「うちのお母さんとお父さんと四人で!」
数秒の間があった後、大上くんは立ち上がって自分の家へと戻っていった。
自分の家といっても隣なんだけどね。
さて、と。
わたしも着替えなきゃだ。