【完】隣の家のオオカミさん
蝉がひっきりなしに鳴く中、とぼとぼと学校までの道を一人歩いていた。
まだお昼を回っていないというのにこの暑さは異常だ。
日焼け止めは一応塗ってきたけど……効果あるのかなぁ。
夏休み半ばまでやってきた。
これから4日間にわたる集中講義のためわたしは学校へと足を向けていた。
あっつーい……頭ぼーっとするー……
これしか出てこない。
「あ、日向子。おはよ」
ちょうどバスから降りてきた千絵と出くわしてそのまま二人で門をくぐる。
「今日は髪おろしてるんだね。珍しい」
「うん。すっごい暑いよー」
髪を全部横に寄せていて涼しげな感じの千絵とは正反対なわたし。
オーラからして重いだろうな。