【完】隣の家のオオカミさん
美里ちゃんは学部は違うけど同じ大学だったんだって。
言われるまで知らなかった。
ただし、千絵とわたしと美里ちゃんの三人でしか会ったことがない。
二人きりというのはまだないんだ。
チラッと視線をやると美里ちゃんは小さなその口でケーキを食べていた。
なんか……お嬢様って感じだよなぁ。
仕草も着ている服とかも上品。
お人形さんみたいで可愛い。
これしか口に出ないわ。
「あ、ごめん。ちょっと電話出てくる」
千絵は携帯片手にお店を出た。
その背中を見送ってからまたケーキに視線を落とす。