【完】隣の家のオオカミさん
なんで?
なんで今、わたしに言うの?
なんで?どうして?
この言葉しか頭に出てこない。
「そ、なんだ。美男美女のカップルだったんだね」
なんか、嫌だ。
もうこれ以上聞きたくないよ。
逃げ出したい衝動に駆られた。
「初めての人って忘れられないものだよね」
微笑む美里ちゃんをわたしは凍り付いたように瞬き一つしないで見つめることしかできなかった。
ドクドクという変な鼓動が大きく感じられる。
なんて答えればいいの。
美里ちゃんはわたしになんて答えてほしいの。