【完】隣の家のオオカミさん
♯2
隠し事、二人の過去
信じる気持ちが自分を強くさせる。
信じる気持ちがなければ、些細なことで関係は崩れてしまう。
ちゃんと、信じてるよ。
***
「大上くーん! バイトに遅れるよーっ」
背中をバシバシと叩いてみても無反応。
ベッドの横に置かれていた時計の針は大上くんが家を出る時間の30分前を指していた。
もう、ほんとに遅刻しちゃうよ!
「……もうちょい寝かせろ」
「もう知らないからねっ。わたしちゃんと起こしたからね!」
相変わらず綺麗な大上くんのお部屋。
物があまりないから散らかすこともできないんだろうけど。