【完】隣の家のオオカミさん
テレビから流れてくる笑い声を聞きながら携帯とにらめっこ中のわたし。
いつもならもうこの時間には家にいるのに。
一緒にご飯食べてる時間なのに。
大上くんはまだ帰ってこない。
真っ暗な携帯の画面を覗き込んではため息が出てしまう。
……どうしたんだろう。
遅くなるのなら連絡ぐらいしてくれるよね?
本気で心配になる。
「……はぁ」
何回目のため息かもわからない。
手の中にあった携帯がふっと画面が明るくなって振動した。
表示されているのはあの人の名前。
「大上くん!?」