【完】隣の家のオオカミさん
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ベンチの背もたれに体を預けるように座り、綺麗に星たちが輝いている空を見上げた。
夏の夜の空気はなんとなく好き。
ひんやりとしたこの感じも好き。
手にある携帯にもう一度視線を落とし、返事が来るのを待っていた。
迎えに行くから、とメールをくれたのに大上くんはいつもの場所にはいなかった。
そこで少し待ってみたけど来ないので近くにある公園へと移動した。
街灯のぼんやりとした明かりがブランコやジャングルジム、砂場を照らしている。
公園には誰もいなくて虫の声しか聞こえない。
ぼんやりとした明かりを見ているとなんだか心細くなってくる。