【完】隣の家のオオカミさん
『なんで公園で待ってたんだよ。危ないだろーが』
「……うん。ごめん」
もう電話切ってもいいかな。
わたし、大上くんに何か変なこと言っちゃいそうで怖い。
『もう公園出たか?』
「…まだだよ」
さっきと同じようにまた空を見上げた。
同じ空のはずなのに見え方が違う。
それは気持ちのせい?
『はぁ?何やってんだよ。さっさと帰る』
心配してくれてるんなら迎え来てよ。
あぁ、もうやだ。
なんでわたしこんなことしか思えないの。
大上くんだって忙しいんだから……
「大上くん、今どこにいるの?」