【完】隣の家のオオカミさん
変に入れてた力が抜けてわたしはゆっくりと視線をあげた。
眉間にしわを寄せてわたしを見下ろす大上くんと目があう。
なに、その顔。
ねえ、今なんて言った?
なんで話してくれないの。
どうして隠すの。
大上くん、なに考えてるの──?
小さく口を開いて大上くんの目をまっすぐと見つめる。
「な……んで?」
かすれた声しか出てこない自分にイライラしちゃって。
のどの奥が熱くなって。
自分をうまくコントロールできたらどんなに楽なんだろう。
胸が痛い。
「もう、飽きちゃった? わたしと別れたい?」