【完】隣の家のオオカミさん
おひらきの時間となりひとまずお店を出る。
二次会には洸汰さんとわたし以外の人みんな参加するらしい。
洸汰さん、きっと行きたかったよね?
わたしのせいで我慢させちゃってなんだか申し訳ないな。
「さてと。帰りますか」
吐き出された白い息をぼんやりと見つめ、かすれた声で返事をした。
電車は行きの時とは違い、空席がところどころある。
腰を下ろしてふぅと小さく心の中でため息をついた。
隣に座る洸汰さんの腕が時々触れて、チラッと視線を向けてみる。
眠たそうな横顔。
「寝てていいですよ。着いたらちゃんと起こしますから」