【完】隣の家のオオカミさん


おひらきの時間となりひとまずお店を出る。

二次会には洸汰さんとわたし以外の人みんな参加するらしい。


洸汰さん、きっと行きたかったよね?
わたしのせいで我慢させちゃってなんだか申し訳ないな。



「さてと。帰りますか」



吐き出された白い息をぼんやりと見つめ、かすれた声で返事をした。





電車は行きの時とは違い、空席がところどころある。

腰を下ろしてふぅと小さく心の中でため息をついた。


隣に座る洸汰さんの腕が時々触れて、チラッと視線を向けてみる。


眠たそうな横顔。



「寝てていいですよ。着いたらちゃんと起こしますから」

< 257 / 393 >

この作品をシェア

pagetop