【完】隣の家のオオカミさん
「……日向子ちゃんはさ、次の恋とか考えてないの?」
…どうしても話は恋愛方面にいっちゃうんだ。
でも、今日ぐらいは楽しい話でもしましょうよ。
「好きな人なんて簡単にできませんよ」
だって、わたしはまだ……
口に出したら止められそうにない。
想いが溢れちゃいそうで。
しっかりとブレーキをかけていなくてはならない。
いつかこの気持ちが消えるその日までしっかりと。
「日向子ちゃんはさ、もう郁磨のものじゃないでしょ」
誰のものでもないよね。そう呟いた洸汰さんの顔は見れなかった。