【完】隣の家のオオカミさん
洸汰さんのその好きはきっと違うよ。
一時的な気の迷いだよ、きっと。
わたしはいつも逃げてる気がする。
傷つくのが怖いから。
恋愛ってどうしてこんなに難しいの。
両想いってだけではしゃいでいた自分が懐かしい。
「洸汰さん、やっぱり飲みすぎですよ!わたしが家まで送っていってあげましょうかっ?」
次の駅でわたしは降りる。
洸汰さんはその何個か先の駅。
「あのさぁー……真面目に話してたつもりなんだけど」
「酔ってますよ、洸汰さん」
電車が速度を落とし始め、もう駅へと着こうとしていた。