【完】隣の家のオオカミさん
洸汰さんの頭が離れ、肩にあった重みが消える。
「今日は誘ってくれてありがとうございました。楽しかったです」
バッグを肩にかけゆっくりと腰をあげた。
洸汰さんはやっぱり眠たそうにしてて。
ぼーっとした眼差しでわたしのことを見上げる。
大丈夫だよね?
寝過ごしませんよね?
「今度は二人でどっか行こ」
「……」
表情は変えないまま、わたしは口角をあげたまま洸汰さんの肩あたりに目線を向けていた。
こんなグイグイ来られると困る。
こういうの慣れてないから、困るよ。
わたしなんかにかまわないでください。