【完】隣の家のオオカミさん
「あ、あけましておめでとうっ、ございます!」
「……なんで敬語なんだし」
笑顔がまた向けられるなんて思いもしなかった。
わたしもちゃんと笑えてるよね?
どうしよう。
どうしよう。なんか、泣きそうだ。
話せただけでこんな泣きそうになるなんて。
胸がきゅうっとなるのは……これはどっちだろう。
嬉しさと苦しさ、どっちだろう。
「おまえ、太った?」
大上くんの部屋のドアがきいっと音を立て閉まった。
「た、食べ過ぎたかも」
「嘘だよ。全然変わってねーよ」