【完】隣の家のオオカミさん

「えっと、これは?」

「ハンバーグにしか見えねーだろうが」



いやいやいや。
形はきっと丸かったのだろう。けど、今は形が崩れてしまって焦げすぎている。


ハンバーグには見えない。


まじまじとお皿を見つめていると大上くんが向かいに座ったので視線をあげる。


なんか、不思議。


大上くんがここにいるなんて。
こうやってまた一緒にご飯を食べているなんて。



「いただきます」



箸をそっとハンバーグへと持って行く。
中まで火が通ってるか確認。


一口食べてから感想を言うことにした。


んー……んんー……?



「……どうよ?」


「うん。おいしくないかも」


「ああっ?」


< 272 / 393 >

この作品をシェア

pagetop