【完】隣の家のオオカミさん
ホントのことを言っただけだもん。
だっておいしくないんだもん。
まぁ、大上くんはそのままでいいと思うよ。
料理できないところが大上くんらしい。
「はぁー? 普通にうまいじゃん」
味覚どうかしてるんじゃないの?
わたしはそう思ったけど口にはしなかった。
ふふっと笑うとなに笑ってんだよ、と睨まれわたしは口をきゅっと結ぶ。
大上くんと普通にこうやって話せるなんて
こんなに嬉しいことはない。
でもちょっとだけ、苦しいの。
大上くんのその笑顔を見てるとちょっとだけ苦しくなるんだ。
小さな針が突き刺さったように胸がチクッとするの。