【完】隣の家のオオカミさん
───あ、しまった。
テレビの横に置いてある箱に視線が釘付けになる。
小さなあの箱の中には第二ボタンとかが入っている。
思い出がつまった箱。
その箱も可愛いからクローゼットに入れとくのはなぜかもったいないと思い、飾ってみたんだ。
大上くんが来るなんて思ってもなかったからそのまま出しっぱなしにしていた。
……気づかないよね?
「なあ、あの箱邪魔なんだけど。どかしていい?」
「う、うん! いいよ」
うわぁー……大上くんがあの箱に触れると思うとドキドキしてくる。
あれ?
……どうしよう。ちょっと待った。
あの箱のフタ取れやすくなって──……