【完】隣の家のオオカミさん



夜の冬の空気は肌をさすようにはりつめているものだ。


手袋もしていない手で両頬を覆って空を見上げる。


今日も星がきれいに輝いてる。
最近、空を見上げることが多くなったな。


マフラーをぐるぐるっと巻いて口元を隠せば少しはあったかい。



「日向子ちゃん」



車が目の前で止まって中から顔を出したのは洸汰さん。


助手席のドアが開いて静かに乗り込む。

シートベルトも着用して窓の方に視線を向けていると苦笑いといった感じの洸汰さんの顔が窓に映った。



「俺のこと避けてるでしょ」


「…………」


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