【完】隣の家のオオカミさん

電話は来ていてもとらなかったし、折り返し電話もすることなかった。


メールも返したり返さなかったり。



「好きな子に振り向いてもらえないってこんな感じなんだね。初めてだよ」



すみませんでした、と言いそうになるのをぐっとこらえる。


感じの悪い子になれば、洸汰さんも冷めるだろう。


洸汰さんってやっぱりモテるよね。

なんで、わたしなの?
他に女の子はまわりにいっぱいいるじゃないですか。


静かに走り出した車の中でわたし達はとくに会話を交わすこともなく、お互い無言。


気まずいとは思ってるけど自分から話をふる気にはなれなかった。


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