【完】隣の家のオオカミさん
ベッド脇に置かれている扇風機に視線を向け、ね?と大上くんに視線を戻す。
「ま、おまえバイトしてねーもんな。貧乏だな」
「……そうそう。貧乏人なの。がんばってやり繰りしなきゃなの」
フッと鼻で笑って大上くんは冷蔵庫の方へと歩いて行った。
自分の家のように居座る大上くん。
休日はバイトがない日はほとんどわたしの家で生活しているんだ。
「冷蔵庫ん中、何も入ってねーじゃん」
「あぁ、うん。今日の夕方に買い物行くよ」
このアパートの近くにあるスーパーは夕方になるといろいろ安くなってお買い得になるんだ、と大家さんが教えてくれたの。
これは絶対行かなきゃでしょ。