【完】隣の家のオオカミさん
「あなたねぇ、行動が遅いのよ。もっと早く動けないの?」
「言われることだけやってちゃダメなの。もう高校生じゃないでしょ?自分で考えて行動なさい」
言ってることはたぶん正しい。
でも口調がキツくて胸にとても突き刺さる。
ここで働いてる人達はわたし以外みんな四十代を過ぎた人ばかりらしい。
同年代がいないのはすごく寂しい。
「すみません……」
これしか言えない。
ぎゅっと唇を噛んで目頭が熱くなるのを感じながらわたしは無言で机を拭く手を動かした。