【完】隣の家のオオカミさん

口をぽかんと開けて大上くんを見上げたまま瞬きを数回繰り返す。


大上くんはふわぁっとのんきに大きなあくびをしている。



「アホ面、やっと来たか」



デコピンが飛んできた。

目をぎゅっと瞑っておでこに手を当てながら一歩後ずさり大上くんから離れる。


そんなには痛くなかったけど…大げさに痛がってる顔をしちゃったな。


ま、今はそんなことどうでもいいの。
それより話を──…!



「桃子さんから何も聞いてねーの?」



お姉ちゃん?
特になにも言われなかった気がするけど…

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