【完】隣の家のオオカミさん
千絵がそう言うとお人形さんみたいなあの女の子が控えめにクスッと笑った。
笑い方まで上品…!
すごく女の子だ……!
「もー!迷子になんてならないよっ」
「日向子って反応可愛いからいじりたくなるのよね。あ、この子は一条美里[いちじょう みさと]っていうの。洸兄と大上と同じ中学」
彼女がペコッと頭を下げると髪が肩からさらっと流れ落ちてふわっと甘い香りがした。
シャンプーかな?
すごいいい香りだ。
「及川日向子。私たちと同い年だよ」
千絵が紹介してくれてわたしも慌てて頭を小さく下げる。
「はじめまして。日向子ちゃんって呼んでもいいかな?」
「あ、うん!じゃあ美里ちゃんって呼ぶね」