【完】隣の家のオオカミさん
──ピンポーン
ぱちっと目を開くのと同時に勢いよく上半身を起こした。
額にはうっすらと汗がにじんでいて、ドクドクと胸の振動がすごい。
今のは……何だったの?
変な夢だった……
「あ……出なきゃ」
家のチャイムがもう一回鳴った。
ひんやりとした床に足をおろして玄関へと急いだ。
このチャイムの音に起きたのか、あの変な夢に起きたのか……
ぼーっとする頭でそんなことを考えながらドアを開けた。
「誰か確認もしないでドアを簡単に開けんな」