腕枕で眠らせて







「おめでとう美織!!本っ当に良かったねー!!!」



友人からの祝福の声は盛大すぎて、スマホから漏れたその声に後ろを通り過ぎた人が驚いた顔でこちらを見てた。


「ありがと、佐知。でも声おっきい」


青森に向かう新幹線のデッキのスペースで、私は壁に寄り掛かりながらスマホを耳から少し遠ざけた。


「ごめんごめん、だってあんまりにも嬉しくって」


素直にそう言ってくれる佐知は本当に素敵な親友だと思う。


だから、昨日の事。誰より先に佐知に教えたくって。


「ねえ、今度時間あったら社長も一緒に工房連れて来なよ!会ってみたいな、美織の好きになった人!」


「うん、そのうちにね。ふふ、イイ男だから、佐知きっとビックリするよー」


「うわ、ハードル上げたね。超楽しみにしてるから」



新幹線の到着時間を気にしながら佐知との楽しい会話を終わらせると、

私はいつの日かこの賑やかな友人と会わせた時の紗和己さんの様子を想像してクスクスと笑いながら、父と母の居る指定席へと戻った。




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