腕枕で眠らせて
「会うたびに距離が1センチずつ縮んでいくこの毎日が、僕は愛しくてたまりません。
少しずつ心が重なって、距離が縮まって、いつか身体が触れ合って。それじゃあ駄目ですか?」
その言葉に嘘は無いって。真っ直ぐに見つめる瞳が言ってる。優しすぎる笑顔が伝えてる。
その言葉に嘘は無いって、信じられる。
「…でも…紗和己さんは、それでいいの…?」
「もちろんですよ。
僕はね、美織さん。貴女とこれからもずっとずっと一緒にいるつもりです。
だから何一つ焦りません。ただただ、楽しみなだけです」
その言葉に、私の顔がこの日初めて心から綻んだ。
欲しかった…ううん、それ以上の答えだ。
馬鹿みたいに捕らわれてた自分の情けない心が、嘘みたいに安らいでいく。
どうしよう、私。
嬉しすぎて、笑顔になるのが止まらない。
その笑顔に、幸せそうに微笑み返して
「ゆっくりいきましょう、美織さん。
ゆっくりゆっくり、僕を愛して下さい」
心から私を愛しむ声で、紗和己さんはそう告げた。