腕枕で眠らせて




「ダメですよ、鈴原さん。怪我をします」



低くて優しい声だった。


大きくて温かい手だった。


そして、私を見つめる瞳は真剣で
でも、柔らかい眼差しだった。



逸っていた鼓動が、今度はドキリと大きく音をたてた。





「…は、離して下さい…!」


優しい手を、私は強く振り払った。








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