腕枕で眠らせて



「美織、最近肌が荒れてるわね」


晩御飯を食べながら言ったお母さんの一言がザックリ胸に刺さる。


愛子からあの話を聞いてから一週間。

私は一生懸命自分の気持ちをコントロールしようとしてもがいてた。


頑張って仕事をして、元気に振る舞って、嫌なことは考えないようにして。

頑張って頑張って頑張っているのに。


気を抜くと落ち込んでしまう私はひたすらに情けなく。よく眠れてないせいか、それともストレスだろうか、肌まで荒れてきた。


お互い忙しくてしばらく紗和己さんと顔を合わせていない事だけが不幸中の幸いだ。


こんな顔、見せられたもんじゃない。


「最近忙しいから疲れてるのかも。お母さんの美容液貸してよ。あの高価いやつ」


「それは構わないけど、ちゃんと休んでちゃんと寝た方がいいんじゃないの?」


分かってるよお母さん。

でも、それが難しいんじゃない。




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