腕枕で眠らせて
頭が熱くなって何も考えられなくなってしまった。
恥じらいを通り越してハニワみたいな顔をしている私を見て紗和己さんはクスクスと笑いだし
「布団はふたつ敷きます。泊まりに来て下さい。手を繋いで、一緒に寝ましょう」
そう言って私の頬を柔らかく撫でた。
「え…あ…ふたつ…?」
「いくら僕でも同じ布団じゃ狼になっちゃいますから。少し離れて、手を繋ぎましょう」
……………。
真っ赤に染まった私の顔を、紗和己さんは可笑しそうに撫でて見つめ続ける。
「それだけじゃ不満ですか?」
「えっ!えっ!?や、全然っ!!」
きょ、今日の紗和己さん、ちょっと意地悪?
焦りまくって大きな手を振りほどき赤い顔を俯かせた私は、ドキドキ云う心臓に翻弄されて唇を噛みしめる事しか出来ない。
なのに、なのに。
「今夜はずっと、手を繋ぎましょう。
そして明日の朝、一緒にまた元気になりましょう」
キラキラの星空を仰ぎながら、紗和己さんが切なくて優しい声で言うから。
やっぱり私は止まらないドキドキと苦しいくらいきゅうっとする胸を抱えて
「…うん。一晩中、手を繋ぎましょう」
そう答えるしか、無いじゃない。