腕枕で眠らせて





硝子のクリスタルに、キラキラの命を吹き込む事がこんなに好きになったのはいつからだろう。



踊る光にたゆたって幸せな気持ちになって欲しい。


そんな祈りを籠めて硝子のオブジェを紡ぐようになったのは。




カシャリ、カシャリとピンセットを使い細かい硝子と装具を繋ぐ。


窓から射し込む夕陽が私の手の中の硝子にキラキラと反射した。




優しい光が、誰かを癒しますように。



「出来たっと…」



シャラリ音をたてて持ち上げてみたサンキャッチャーは、冬をイメージして色の無いただ透明の硝子を連ねた。


重なりあった硝子は純粋に光を映し出し、白く眩くさえ見える。


その出来に満足した私は、全体をもう一度細かくチェックすると宝物のように大切に梱包材にくるんで箱にしまった。






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