腕枕で眠らせて
自分でも自分が分からない。
あんな疑う余地も無い人に、どうしてあんな嫌な言葉をぶつけたの。どうしてあんな言い方をしたの。
紗和己さん困ってた。戸惑ってた。
最悪だ。私、最悪だ。
冬らしい薄曇りの空から砂色の日射しが照らす窓の外。鈍くて優しい明るさの部屋で、私は膝を抱えて顔を突っ伏した。
項垂れた頬に自分の髪がふるりと触れて、うっとおしい。
嫌われたくない。
紗和己さんに。あの優しい人に。
疑っちゃダメ。私、あの人を信じてる。信じてるんだから。
もう変な事言わない。ちゃんと明るく振る舞うんだ。心配掛けないようにするんだ。
次に会ったときはちゃんと明るい顔で笑って、こないだはごめんなさいって謝って、可愛く甘えて、玉城さんの心配もちゃんとして。
可愛い彼女でいるんだ。じゃなくちゃ。
また、他のひとに取られちゃう。