腕枕で眠らせて
けれど
健気に想い続けてればきっと報われるなんて、そんな少女漫画みたいな夢物語は現実には訪れない。
「あんたさあ、いい加減、楷斗に遊ばれてるって気付いてくんない?」
そう。これが現実。
よりによって同じ会社の子とアイツは二股を掛けていた。
ある日突然女子トイレに呼び出された私は、別の部署の名前も知らない女の子にいきなり責められた。
けれど、私だってその時は彼が好きだったし大人しく引き下がるはずも無く。
「そ…そっちこそ遊ばれてんじゃないの?楷斗は私を本気で愛してくれてるんだから」
勇気を出して言い返した。
馬鹿だった。止めておけば良かったんだ。