腕枕で眠らせて

1



<<1>>







「…美織…?」




頭の上に広がる空は曇天模様、冬の色。


そのドンヨリした色に響いた私を呼ぶ声は


「………楷斗…?」


胸がキリリと痛む男(ひと)だった。





振り返り固まったように立ち尽くした私に


「美織さん?」


隣を歩いていた紗和己さんが不思議そうに声を掛けた。





< 247 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop