腕枕で眠らせて
冬のオーシャンビューを眺めながら入った個室の露天風呂はとっても贅沢で。
恥ずかしいのも忘れてふたりでうっとりと景色に魅入ってしまった。
「来て良かったぁ。こんな贅沢な景色見たら寿命まで伸びそう」
「渋いコト言いますね」
ふたりでクスクス笑い合ってると、まるで幸せのおまけみたいにフワフワな雪が空から降りてきた。
「わあ、雪だ。すごいロマンチック」
お天気がくれた最高の演出に、嬉しくて思わずはしゃいでしまう。
ざばっと湯船から立ち上がり子供みたいに一生懸命空に向かって手を伸ばし白いフワフワを掴まえようとした。
…大丈夫。バスタオル巻いてます。いくらなんでも私、スッポンポンでそんな事するほどはしたなく無い。
って思っていたら。
「風邪ひいちゃいますよ」
同じく立ち上がった紗和己さんが後ろから私を抱きすくめて、そのまま一緒に湯船に屈んだ。
チャプンと音をたてて湯船に入れられてしまった。
…照れる。って言うかこれは。
バスタオル越しとは言え、ほぼ裸でくっついてるも同然で。
外だし。まだ結構明るいし。そもそもここお風呂だし。
ああ、恥ずかしいなあ、もう。
「綺麗ですね、美織さんは」
そう囁いて耳朶に落とされたキスは、私に落ちた雪を溶かしてしまうほど全身を熱くさせた。