腕枕で眠らせて
花が順番に咲き巡るように。
太陽が少しづつ日々を温めて行くように。
きっと、私たちの季節も移ろっていくんだ。
「私、夜型だから朝はお寝坊ですよ?」
「全然かまいませんよ。僕が毎朝美織さんの為に美味しい朝食を作ります。林檎もウサギにしますよ」
おどけた私に、紗和己さんが嬉しそうに目一杯の笑顔で笑う。
「一緒に暮らしたら、私、毎日紗和己さんといっしょにお風呂入っちゃおうっと」
「大歓迎ですよ。僕が肉食系だって忘れましたか?」
クスクスと笑い合うふたりの間に、仄かに春の息吹が香る。
見上げた空には優しい陽射しと咲き染めの白い木蓮。
「もう春だね、紗和己さん」
空に向かって伸ばした手に、私は何を掴もうとしたんだろう。
「愛してます。美織さん」
そんな私を後ろから抱きすくめた紗和己さんの手が、教えてくれた。
温かい春は
次の季節は、すぐそこに、と。
番外編*Second Season*
.。.:*・゜おわり゚・*:.。.