腕枕で眠らせて
「大体、水嶋さんが独身だってハッキリ判明した訳じゃないし、それに独身でも彼女がいるかもしれないし。そもそも水嶋さんが私をそんな風に見てるわけないし」
ブツブツ、チャリチャリ。
私のつまらない独り言とテグスと硝子を繋ぐカンを弄る音が静かな部屋にほんのり木霊する。
夜の自室で。着々と出来ていく、太陽を浴びるための硝子のオブジェ。
時には雨の雫のように。時には綻ぶ華のように。様々な形に私の手が紡ぐ。
綺麗で愛しい私の作品。
この硝子たちは数日後、水嶋さんのあのお店であの窓辺で、キラキラと輝かせてもらえるのだ。
「…嬉しいな…」
それを考えると、私の中はほっこり温かい気持ちになる。
ほらね、やっぱり。
私は恋愛なんかよりサンキャッチャーを作ってるときが
一番幸せ。