腕枕で眠らせて
「もしもし、美織?今日届いた発注のファックスだけどさ、いつもと数が違うから確認しておこうと思ってさ」
「……佐知……」
「ビーズのピンクがいつもより多……美織?…泣いてるの?」
「……佐知…、私消えちゃいたい…私なんか居なくなっちゃえばいいのに」
「ちょっと美織?何があったの?ちゃんと話して!」
佐知には心配を掛けてばっかり。
二年前もいっぱい電話で泣かせてもらって、今もまたこうやって。
「美織、ゴメン。美織の傷がそんなに深いものだって、私、思ってなかった」
「どうして佐知が謝るの…?」
「もうとっくに回復してるもんだと思ってた。ちょっと臆病になってるだけだって。だから早く恋しななんて無責任に煽ってた。本当にゴメン。美織今でもまだ苦しんでたんだね」
「…佐知…」
「でも、美織が水嶋さんを傷付けた事は、だからって許される事じゃないよ」