腕枕で眠らせて
その時は、水嶋さんて旅で浮かれるタイプなんだなあ、なんて意外に思ってたけど。
美しい写真に釘付けになって、私はその言葉の意味が分かるような気がした。
嗚呼。
水嶋さんの見ている感動が、感じている心が、伝わってくる。
それからも、時々送られてくるメールには
遠い場所から水嶋さんの感動と一緒に美しい景色や珍しい物の写真が色々と添付されていた。
中には、ハンガリーの甘いチョコ菓子にパクついておどけてる水嶋さんの写真まであったり。
私はそんなメールが届くのが毎日待ち遠しくなり、写真を眺めてはうっとりと幸せな気分に浸った。
不思議。
自分じゃない人が眺めてる景色を、こんなに美しく思えるなんて。
そこにいないのに、どうしてこんなに感動出来るんだろう。
水嶋さん。
貴方と共有しているからかな。
水嶋さん。
もしもこの景色を貴方の隣で見たのなら
私の目にはどんな風に映るんだろう。
水嶋さん。
もしも二人で見たら
もっともっと一緒に感動出来るのかな。
もっともっと幸せな気分になれるのかな。
じんわりと胸の奥が熱くなるのを確かに感じながら
私は水嶋さんの送ってくれた写真をデスクトップに飾ったパソコンの前で
幸せ心地で、うたた寝をした。