腕枕で眠らせて
「うわ、ヤバい…さすがに寝すぎた」
目覚めたときの窓の外は、もうとっくに人が活動する時間のピークを迎えていて何だか取り残されたような焦燥感を受ける。
慌てて自分も活動する人間側にまわろうと顔を洗って身支度を済ませた。
コーヒーを淹れキッチンから適当な果物を拝借して部屋に戻りパソコンの電源を入れる。
何時に目覚めても大抵これが私の朝のパターン。
通販のサイト宛にきたメールをチェックするところから一日の仕事が始まるんだけど
「…あ…」
どうやら今日は違う始まりの予感。
【受信BOX】
【本日お会いできませんか/水嶋紗和己】
淹れたてのコーヒーを一口啜ってから、どのメールより先にそのメールを開いた。