腕枕で眠らせて





パソコンに注文以外のメールが届いたのは三日前の夜だった。



それは、都内で雑貨店を経営するという人からのメールで、私の作るサンキャッチャーをお店で取り扱いたいと云う申し出だった。


自分の商品がお店に置いてもらえるなんて嬉しかったけど、反面、私は少し迷った。


また誰かと繋がりを新たに作るなんて。


メールだけのお客様と違い、当然直接会って色々交渉しなくてはならない。


すっかり気楽な自営業に浸かった私は少々怯んだけど、その人からのメールに

『貴方の作られるオブジェは、美しいだけじゃなく心を癒してくれます』

と、なんとも嬉しい事が書かれていて。


きっとこの人なら会っても大丈夫だろうと思い、私はこの申し出を承諾した。








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