腕枕で眠らせて
クリスタルの花束は、根本がその美しさを損なわないように絶妙な流線型の形を描くスタンドになっていて置き型のオブジェになっていた。
部屋のどこに置こうか迷って、愛用のシェルフの中身を模様替えして飾った時には、夜はたっぷりと更けていた。
「さて…仕事しなくっちゃね」
しばし魅惑の花束に魅入ってからテンションをあげると、私はいつもの作業用テーブルに向う。
今日は綺麗な物ももらっちゃったし、素敵なお話も聞けた。ザッハートルテも美味しかった。
自分がいっぱいイイモノで満たされたのが分かる。
うん。いいサンキャッチャーが作れそう。
気合いの入った私はいつものビーズ硝子とピンセットを手にして集中のスイッチをオンにした。
「ふー」
満々の気合いから自分を解放したときには、時計は夜から深夜に変わっていた。
「さすがに疲れた…肩イタイ」
グリグリと肩を慰めながら身体を伸ばそうと立ち上がると、開いていたパソコンにメール受信の表示が出ていたのに気付いた。