嫌いになれたら
「え、いないのかぁ。そうかぁ。」
なんでそんな嬉しそうにしてんの。
失礼!すごい失礼だから!
なんか、恥ずかしくなって顔が暑くなってきた。
「良かったらさ、メアド交換しない?」
「なんでですか?」
「まあまあまあまあ!いいだろ、愛美!お前どーせ、男いないんだし!先輩かっこいいからいいだろ!」
なんだそれ。まるで私が顔だけで男選んでる風にいうなよ。あほったれ。
私のタイプは一途で優しくて、私を大切にしてくれる人だっつーの!
それなのに、こんな見た目ちゃらちゃらしてて、あった瞬間メアド交換しましょうなんて、あり得ないしょ
「だめ?」
なんかすごい泣きそうな風にいわれた。
なんか、逆に悪い気もしてきた。
まあこの人の事全部知ってるわけじゃないし。
メールくらいならいいか
私の生活に支障が出るわけでもない
それに、付き合うとかまずないでしょ
私の過去とか知ったら。
大抵の人は引いて関わり持たなくなる。
「まあ、メアドくらいならいいですよ」
「ホントに?!やった!」
また、笑ってくしゃっとしわがよる。
なんかかわいい。
笑顔だけは好きだ。
そんな感じで、白井翼と七瀬愛美は出会った。