血染めの鎖
だが勿論、それも世迷事ではないのだ。
ほうら、馬鹿な魔族共の頭上に、ぽつんと小さな人影が……。
「僕を殺すことは誰にもできない」
ぐちゃあ。
突如、むわりと広がる異臭。そしてそれと共に、何かが裂ける音が響いた。
それはきっと、人ならずの裂ける音で。
[ア…、あ、]
[?!]
[なンッ…、ナにがオコッた?!]
現に、三体いた魔族のうち一体の体が切り裂かれていた。
焦りに焦る魔族を見据え、リークは小さく口角を上げる。
そうまるで、してやったりと言わんばかりに。