血染めの鎖

「だから言っただろう、僕を殺すことはできない、と」

[ナ、ナん…なん、デ]

[一体ドコカラッ!]


「随分と焦ってるねえ。ククッ、そりゃそうか。なにせ、“君たちにとってアリエナイことが起きたんだから”。

なあ、“トルガ”?」


[?!]「?!」


その言葉に驚いたのは魔族だけでなかった。
リークの腕の中にいる村娘もまた、驚き口を開いている。


「え、い、生きて…る、んですか」

「ああ」

「あの、お連れの方が…」

「生きてるさ」

「…嘘」

「嘘ではない」


澄まし顔で平然とアリエナイことを口にするリークに、村娘は信じられないと何度も問を繰り返した。
< 101 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop