血染めの鎖
「だから言っただろう、僕を殺すことはできない、と」
[ナ、ナん…なん、デ]
[一体ドコカラッ!]
「随分と焦ってるねえ。ククッ、そりゃそうか。なにせ、“君たちにとってアリエナイことが起きたんだから”。
なあ、“トルガ”?」
[?!]「?!」
その言葉に驚いたのは魔族だけでなかった。
リークの腕の中にいる村娘もまた、驚き口を開いている。
「え、い、生きて…る、んですか」
「ああ」
「あの、お連れの方が…」
「生きてるさ」
「…嘘」
「嘘ではない」
澄まし顔で平然とアリエナイことを口にするリークに、村娘は信じられないと何度も問を繰り返した。