血染めの鎖
「生きてるよ、あいつは。というか、僕が死なせない」
それは絶対的な信頼なのか。
それとも。
「僕はあいつに命令した。『僕の命はお前にやる。だからお前も、僕の命(めい)なしに命を落とすな』と。
あいつを殺していいのは僕だけだ」
歪んだアイの表れか。
なんにせよ、村娘の体は現状を把握しようにも出来ず、固まってしまっている。
その間にも魔族共は切り裂かれ、とうとう残り一体の体がリークたちの目の前に落ちた。
シュウシュウと煙を出す魔族の体。
[ア、あ…]
「おやすみ。お前に僕は殺せなかったろう?」
それが、無惨にも引き裂かれた。
あまりにも悲惨な現場に、村娘は涙目となり口を押さえた。
この方たちは救世主なのかもしれない。けれど。
この仕打ちは、まるで悪魔のようだ。